創設時のプログラムディレクタから学生へ贈られたメッセージ<オフサイド> より転載

                     

                         ~ Wales Way ~


<2005年10月 オフサイド8号より抜粋>
昨秋に東京1期生の内9名が卒業されMBA学位を取得され実業界で活躍されておられます。恐らくMBAの事(何が大事だったか)が分かるのは5年以上経ってから、かつ厳しいマネジメントを経験されて“何か”を感じた時から実感されることでしょう。


(中略)


最近入学された参加者も短期間にいろいろな事を感じたことでしょう。自己の抱えていた常識の溶解、崩壊、色々あったでしょうが、まだまだこれからです。過去の“オフサイド”にも書きましたが、危険なことは慣れから来る“こんなもんだろう”と思ってしまうことです。直ぐに自分の悪い癖に戻ってしまうことです。2年間は学習です。またテキスト、課題や授業だけがMBAの学習ではありません。通り、電車の中、人の動き全てがビジネスのヒントです。朝起きたときからMBAの学習は始まっています。慣れが一番怖いと言うことです。学ぶことには謙虚でありたいものです。視野や心の幅を広げる事が重要であります。テキストを買って学習しセミナーで勉強できる事の範囲だけの学習では意味がない訳です。直ぐに役立つことばかりを追いかけているとその内に起動から外れ役立たなくなります。


MBAの学習法は日本の大学受験や資格試験とは違い、与えられた基本情報(城の石垣)をベースとして各参加の環境に合わせたもの(天守閣)を築き上げることが必要です。それによって環境変化に対応できるリーダー養成という本来のMBAプログラムの目的にも合致するわけです。従って、その時に必要なものだけ(天守閣)に注力していてはスケールの小さいものに成り、書店にある書籍を買って必要なセミナーに出席して勉強すれば充分であり、わざわざプログラムに時間や費用をかけ入学する必要はないのであります。
会社や個人でできないことがあるはず。自分を変えたい等の理由があったはずであります。また、自分の考えを押し通すなら、来る必要もなくご自分の仕事で押し通しておられれば良いわけです。“技は力の中にある”と言う言葉がありますが、小手先のテクニックで世を渡ると必ず大きな壁にぶつかるでしょう。とにかく将来の結果には必ず自分がインプットした原因があるということを忘れないで勉学に励んでいただきたい。吸収する柔軟な心です。


(中略)


実務だけの狭い視野では困り、アカデミックな幅も必要ではあるが、経営の研究科課程ではないのだから生きた実際の経営センスを失わないように気をつけることが必要であろう。経営を体系的に勉強したいも結構だが結果を出す実務家でリーダーであるいうことをお忘れなく。


<2005年12月 オフサイド9号より抜粋>

「修士論文作成についての留意点」 
以前のオフサイドにも書きましたが、授業では教員が必要な資料を準備してくれますが、修士論文執筆作業はすべて自分の努力で行われるものであり、その為に日頃の授業の課題(レポート)作成もミニ修士論文のつもりで書く必要があると思います。その集積が修士論文執筆に大いに寄与するのです。日常を大事にしてください。これをおろそかにすると修士論文執筆に相当苦労されることが予想されます。


(中略)


修士論文作成規定のIIIの12にあるように、指導教員は修士論文を添削し、手取り足取り教えてくれるものではないということをよく認識して、他人のせいにしないで、ご自分の責任で最終完成するということです。


(中略)


何のためにMBAを取得して何をされるつもりなのか?と問いたい。MBAを取得して夢の世界が待っていると思っておられるのか?立っている地面の面積がどんどん狭められ、逆に責任が重くのしかかる覚悟が要ります。会社や上司からの過剰な期待、部下からの突き上げ、同僚からのヤッカミ等を力強く乗り越えなければならない。全て自分にかかってくる。センス、能力、努力、胆識(人物を形成するのは、地位や名誉や知識ではなく、胆力と識見、つまり『胆識』だ。~勝海舟、氷川清話より)なき者は去るのみであり、そのような学位のみのMBAホルダーで悲惨な結末になった人をよく見ております。何で対抗するつもりでしょうか?自立心と克己心を持ち、淡々と前進するのみ。依頼心の強い非力で不平不満な方は実際の世界で潰れるのみである。『ウエールズMBAの連中は!』等と陰口をきかれないようにしたいものです。


(中略)


ご存知のように、MBAは経営管理学のグローバル・スタンダードです。その意味では、世界の中心は米国、英国の大学の学位と言えるかも知れません。決して、専門学校のビジネスコースのように知識を暗記して取得する資格ではありません。何を目指してMBAプログラムに入ってきたのかを再度意識され、意識を高く、グローバルな見識を持っていただきたい。MBA学位を取得され、世界に出てビジネスをされるときにやはり欧米の大学だなと気付かれるでしょう。逆に、グローバルな意識とアクションで人生を開発して初めてMBAへの挑戦が意味を持ったともいえます。入学前と同じでは何にもなりません。例えローカルに居ようとローカルマインドにならないように意識調整をしてください。自分が自分の環境の創造主であることをお忘れなく。


Act locally but think globally 
意識を高く。心は高く目は低くですか? 


喜多 元宏 
 

University of Wales

Alumni Association JAPAN


~~~プログラム概要 ~~~


英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA(日本語)プログラムは、英国ウェールズ大学の認証の下、2002年、ヒューマンアカデミーの運営により開校(東京校・大阪校・遠隔制)しました。


当該プログラムの修了者は、英国ウェールズ大学が、毎年、英国王の勅許の下、本校のあるカーディフ(ウェールズ州)にて開催する授与式にてMBA(Master of Business Administration)の学位が授与されます。


この学位は、イングランド、ウェールズおよび北アイルランドにおける高等教育学位に関する規定(FHEQ)、ウェールズにおける単位および学位に関する規定(CQFW) および英国高等教育品質保証機構(QAA)が定めた大学院レベルでのビジネス・マネジメント教育の基準 を外部審査委員による定期審査・第三者評価によりクリアした英国大学の修士学位(Taught Master's Degree)です。


また、修了者は、世界規模で組織される同窓会組織(Alumni Association)に登録されます。

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