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 飯田翔子 × 溜修一 スペシャル対談   - 1 -                          

価値観が似てるけど、音楽的アプローチは全然違って。

それがまた面白いんですよ

飯田翔子(以下「翔」):

「フルアルバム」というのはずっとずっと目標だったんです。なんと言ってもアルバムにはストーリーがある。そういう作品に魅了され続けてきました。なので自分も!と。

 

溜修一(以下「修」):

昨年末に初共演したのがきっかけだよね。そこから意気投合し、今回の作品を作ることになった。

Q. いよいよニューアルバム『Eighty eight』がリリースとなりますが、今回デュオアルバムという形になったきっかけをお聞かせ願えますか?

 

 

修:歌モノを書くのは結構久しぶりで改めて難しいな…と。

 

アタシ文句言うしね(笑 

 

修:ね(笑 いや、普段はインスト(楽器がメロディを弾く音楽)の作曲が多いのでやりたい放題ですが人が歌うとなると色々制限があったりしてとっても悩みました。翔子ちゃんの今まで築きあげてきたものもあるし、いい意味で壊したいけどぶち壊したらあかんとか…。

 

翔:文句じゃなかった!意見(笑 さっきの共通点の話じゃないけど、やっぱ価値観にてると譲れない、ってとこもお互いでてくるというか。でも共通して「もっと良いものにしたい」と思ってる。それはミュージシャンとして当たり前だけど、それをぶつけ合える人ってなかなかいないんですよ。飲み込む方が楽だったりするし。だからこそ、楽しい。本当にいろんなこと悩んで考えてくれてるんやろうなって。実際そんな気配これっぽっちも見せないんですもん。さすがです。

 

修:完成したアルバムを通して聞くといい感じで(二人が、二人の音楽が )混じり合い、今までと違った飯田翔子の一面を出せたのではないかなと。

 

翔:『あをによし』は、初めてデモ聴いたとき「これは溜修一からの挑戦状だ!」と思ったよ(笑 どうやって歌詞乗っけようかと。でも何回も聴いてるとイメージ湧いてきて、今までの私の曲にないテイストに仕上がって。すごく気に入っています!

 

 

Q. 今回『One day』『あをによし』『Over』の三曲が溜さんの作曲ですが、提供されていかがですか?

 

 

翔:そうそう!嬉しいですねー。そう言っていただけると。ジャケットが実は本当にイメージ固まらなくて…でも妥協したくなくて。 

修:悩んだねー。悩みながら打ち合わせしてた場所の壁がいい感じの赤で。「この感じは?」って言った僕のひとことが採用されて(笑

翔:ほんと、あの壁が黄色だったら・・・青だったら・・・はたまたピンクだったかも(笑

修:だね(笑 赤は自分のイメージカラーでもあるので採用されたときはとても嬉しかったな。

翔:あ、そっか!溜色なんだ赤!結果的にとてもインパクトがあってカッコいい写真にしてもらって大満足だよね。

 

 

 

 

 

翔:そうそう。案外まだ1年も経っていないんだなーと。一日一日早いなぁと思うけれどまだ半年ちょっとなんだ(笑

 

修:関西人ってだけでも仲間意識が芽生えるけど、何より共通項が多すぎ!好きな音楽はもちろんだけど、趣味とか、育った環境とか…あ、あとお酒飲めないのとか(笑

 

翔:だよねー(笑 ほんとびっくりするけど、同じような青春時代を過ごしてるんだよね。影響された音とか、ものとか人とか。

 

修:共通点が多いから価値観が似てるけど、音楽的アプローチは全然違って・・・それがまた面白いんですよ

 

翔:わー。そういってもらえると嬉しい。もともと、私が大阪時代にやっていたバンド「SP.8」のメンバーが、溜さんの高校時代の親友という繋がりからの出会いだったんですよね。

 

修:そうそう、こーちゃんね(笑

 

翔:大阪時代からお互い知ってはいても一緒に演奏する機会はなくって。私は東京、溜さんはアメリカへ。

 

修:SP.8の時代から彼女の存在は知ってるから10年くらい前から知ってるんだけど実際にあったのは半年前…。

この半年で10年分しゃべりましたよ。もう完全に地元のツレですw

   

翔:あはは(笑 音楽関係ない話がほとんどかもよ

 

修:いや、どこのジュエル(スタジオ)使ってただの、地元のどこの夜景がきれいだの、どうってことない関西トークが実は曲に活かされたりもしてるんですよ…(* ̄ー ̄)

 

翔:あはは!「富雄?桜井?あたし郡山〜」ってね(笑 でも、ほんとだ。楽曲や歌詞のイメージを共演者と共有できることって案外少なかったから、そこは本当に嬉しいし、演奏しててもつたわるものが違うんじゃないかなって感じています。作品作り、ものづくりという観点でも、二人色んな共通点や価値観みたいなものが浮き彫りになってきて。夢中に作ってたら、自然にピアノ弾き語り×ギターという形がアルバムスタイルになってた気がします。

 

 

 

Q. ジャケット写真がとても印象的な赤!ですね。

翔:普段から好きなんです。洋服やアクセサリーなんかも手作りして衣装になることも。それを知ってか知らずか、溜さんから『衣装作ろう!』という提案が(笑

 

修:そうそう(笑 二人でもずっと話してたけど衣装こだわりたかったんだよね。今回ガチガチのスケジュールだったのにも関わらずどんどんアイデアが溢れてきて自分で自分のクビをしめるという結果になりました。笑

 

翔:私のスカートと溜さんのシャツを仕立てたんですけど、これ、型紙からおこして2日で作ったんです!スケジュールがほんっとギチギチで…今思うと、あり得ないです(笑 人間追い詰められると出来ないことはないんだとおもいましたよー。。

 

修:衣装だけじゃなく、ほんといろいろあったね。そのたびに翔子ちゃんの追い込まれてからのパワーは半端ないと思いました。強いぜ関西のオバ…、もとい関西女性。

 

翔:ちょと、なんてことを(笑 ほめられてる?? でも、何もかも今までやってきたことすべてがこのアルバムの為だったのかも・・・とさえ思えたかなぁ。音楽的なことだけじゃなく、趣味だった洋裁や、ジャケットのデザインなんかも。

 

修:本当にここまでこだわる?って細部にまで一切妥協無しで作り上げたこの作品を是非楽しんでもらいたいですね。

 

翔:私たちのこだわりが詰まったものが自己満足を越えて、皆さんのお楽しみになるコトを願っています。

 

「もっと良いものにしたい」という気持ちをぶつけ合える人ってなかなかいない。

だからこそ、楽しい。

修:うん本当に。ジャケットだけでなく色んな部分も今回意見させてもらってしかもかなり採用してくれたのでとっても充実したアルバム制作だった。個人的には帯裏を見てもらいたいですね☆

Q. 衣装も作られたとか!こだわりが詰まっていますね。

photograph by Toshiyuki Maegawa

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