心臓

 

ザッ、ザッ、ザッ、

目が覚めると自分の鼓動が聞こえた。

壁にかけた時計の秒針に驚くほどピッタリとシンクロしてた。

でもしばらくすると、当然ズレてゆく。

「ズレるな」と身体の奥のどこかに思いきり力を込めてみたけど、

無理だった。自分の身体なのに。

あの日、呼吸をはじめた時も、

昨日の昼間トラブった時も、

ついさっきまで夢を見ていた時も、

知らぬ間に身体は懸命に生きている。

僕はどうだ?

自身に負けていないだろうか?

 

爪が伸びてきたので切ろうと思う。

 

2014.5.1